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主な診療実績・統計

回復期リハビリテーション病棟の診療実績 2014-2016年度

院長 服部文忠

はじめに

 当院の回復期リハ病棟は2003年1月、30床で開設され、2006年6月60床に増床し、地域完結型の医療にふさわしいレベルの高い回復期リハ病棟を目指し、専従のリハビリテーション科専門医によって運営されている。

 そして、急性期病院への報告に加えてデータを学会等に発表しているが、2014年度~2016年度の脳血管疾患の診療実績を報告する。

 回復期リハビリ病棟の脳血管障害の成績は通常A:脳血管疾患で算定上限150日のものとB:高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害で算定日数180日のものと分類された上で報告されているが、およそ学術的とは言いがたく、この報告では脳血管障害の初発例を中心に病型などに従って解析した。なお、当院の回復期リハビリ病棟の施設基準は入院料1であり、休日リハビリテーション加算とリハビリテーション充実加算の施設基準を満たし、週7日を通して、十分な訓練を行っている。

1.脳血管障害

 回復期リハビリ病棟の疾患分類に脳血管疾患があるが、脳血管障害以外の頭部外傷も含まれる。頭部外傷などを除いた脳血管障害で、死亡ないし急性期病院再入院となった例を除いた初発症例は、2014年度平均年齢67.1歳、83例、2015年度平均年齢69.7歳、101例、2016年度平均年齢71.3歳、104例であった。脳出血が減少し、軽症化したと言われるが、当院でも2014,2015年度は30%を下回った。(図1)。図2に脳梗塞の病型分類を示す。分類不能が多くなっているが、急性期の病院で精査しても、分類できない梗塞とその他の梗塞が多い現状を表している。

 【図1】

 【図2】

2.脳血管障害の治療成績

 まず、大まかな傾向を示すため、図3に各脳血管障害初発例の発症から当院転院までの日数、入院期間の中央値を示す。脳血管障害の発症から転院までの日数は中央値2014年度23日2015年度28日2016年度27.5日で、以前よりも短くなる傾向を示し、約3週間に近づいている。3年間共にくも膜下出血が発症から転院してくるまでの日数が多かった。ラクナ梗塞の在院日数が短いが、例年通りである。(図3)

 【図3】

 自宅と居宅施設を合わせた在宅復帰率を図4に示す。

 【図4】

 脳血管障害初発例の治療成績をADLの評価であるFIM(機能的自立評価法)註1)の推移で示した(表1)。入院時FIMが重度のADL障害を持つ患者を対象としていることがわかる。入院時と退院時のFIMの差はFIM利得といい、リハビリの効果を表すが、まずまずの成績を示している。FIM利得を在院日数で割って得られるFIM効率はリハビリの効率を表す。これまた、まずまずの成績である。今後、FIMの認知項目と運動項目に分けた成績など検討する必要があろう。

 【表1】

おわりに

 平均年齢70歳に近い脳卒中初発例を在宅復帰率80%以上に維持するためには、日々の訓練量が十分に確保され、休日にも訓練を行うことが必要であるにもかかわらず、診療報酬審査の上で高齢者のリハビリの単位数が査定されている。このような査定は回復期リハビリ病棟の趣旨に反するものと考える。回復期リハビリ病棟は数々の要件を満たした上で、レベルの高い訓練量が十分に担保されて、高い在宅復帰率を維持することが求められているからである。


註1:FIM; Functional Independence Measure。米国で開発され、今や世界数十カ国で使用されているADL評価法であり、全18項目を介護量に応じて7段階で評価するので、満点は126点である。信頼性と妥当性が検証されており、リハビリ医学において予後予測、治療効果の判定で利用されている。

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